当院では、できるだけ家に居たい、最期まで家に居たい、とおっしゃられる方を支えるため在宅医療を行っております。
先日も、いつも外来に通われている92歳のおばあちゃんですが、急に具合が悪くなられ、家の方が救急車を呼ぼうと「119番」をまわされたら、「入院せーへんから呼ばんといて」と言われたそうです。
その後、私のところに連絡があり緊急の往診をしました。
どうやら心臓が悪いようですが、おばあちゃんは「家の人が入院せえと言わはるんやったら入院するけど・・・」とおっしゃられています。
家族に目を向けると、苦笑いしながら「先生すまんけど家でお願いできますか、病院には行きとうないらしいわ」とおっしゃいます。
ご家族もけして諦めているのではないのですが、医療的な処置を何も選択されなくても、あたたかい気持ちが伝わってきます。
毎日往診に伺っていますが、一向に食べられないのとは裏腹に、おばあさんは家にいられるという安心感でとても落ち着いておられます。
「病院は病気を治すところ、在宅は元気になるところ」
そんなふうなことを感じることができる往診です。
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