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■平成24年3月20日(火) 第16218号
最期の微笑みの意味を写真集から学びたい
いまも忘れられないショッキングな写真がある。若き日の写真家・藤原新也氏が、インドのガンジスに水葬された人間の死体を犬が食べている写真を撮ったのだ。そこには死者の尊厳など微塵もなく、あっけらかんとした物〈死体〉があるだけだった。そんな写真と対極の写真集がこのほど、農文協(東京)から出版された。写真家でジャーナリストの國森康弘氏の写真集“いのちつぐ『みとりびと』”(全4巻で各巻1,890円・税込)である。
東近江市(旧永源寺町)君が畑集落には、お年寄りがたくさん住んでいる。自分の住みなれた君が畑で死を迎えたおばあちゃんの目から、うっすらと涙が流れていた。その涙には、すべての思いが積もっていたことだろう。
このような豊かな旅立ちを支えているのが、訪問診療を行っている永源寺診療所の花戸貴司医師らだ。同医師は、患者の患部を診るのでなく、その人の人生と生活そのものを診ていく。國森氏が花戸医師に同行して、温かな看取りの現場を次々に写真に収めていった。
県の世論調査(平成21年度)では、県民の半数以上が「自宅での介護」を望んでいる。しかし22年の死亡者のうち、自宅は15%に過ぎず、約8割が病院で 死を迎えている。現在、在宅医療を行っている診療所は80か所で、うち東近江市は11か所。訪問看護ステーションは70か所で、うち東近江市は10か所に 過ぎない。
自宅で最期を迎え、笑顔で旅立つ國森氏の写真集をみていると、改めて東近江市に花戸医師らがいてくれる幸せを感じずにはいられない。自分らしい最期とはなにかを考えさせてくれる写真集である。
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在宅を知ってもらえる機会を与えていただいた滋賀報知新聞さんありがとうございました。
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