2014年1月7日火曜日

毎日新聞さんの社説

毎日新聞さんの社説にこの地域の医療・福祉連携ネットワーク「三方よし研究会」のことが紹介されていました。

東近江以外の宮崎や夕張の活動もとても参考になります。
これから、全国の「まちづくり」におおいに期待します。


*****************(以下、引用)************************
★毎日新聞 2014年01月06日
社説:これからの医療 患者革命で変えよう
http://mainichi.jp/opinion/news/20140106k0000m070085000c.html

「患者の役割を強化し、患者が自分の医療にもっと参加することで治療効果が上がり、医療費の削減も達成できる」。スウェーデンのヨハンソン副社会相は力説する。リウマチ患者が自らの痛みの程度を測定し自分で薬を調整できるようにした結果、医療機関の受診率が3割減ったという。
公立病院が整備され患者の自己負担も少なかったスウェーデンは、社会保障費の肥大化、受診までの待機時間の長さなどが問題とされてきた。現在は税負担を軽減化し社会保障費の削減を進めている。
変質する北欧の福祉 民間の参入を促し、医療機関から治療効果などを集めて比較し、結果を毎年公表し質の向上を競わせている。受動的なpatient(患者)からactor(行為者)へという「患者革命」もそうした政策の一環である。
ユーロ危機に見舞われ変化を迫られているのはデンマークも同じだ。患者が在宅のままIT機器を使って医師から遠隔治療を受け、生活の介護もヘルパーを使うのではなく自分でできるようにする。「家庭プログラム」「ペイシェント・エンパワメント(患者の能力向上)」と呼ばれる政策を促進している。「公的な家事援助サービスはむしろ本人の自立度を損なっている」とクラウ保健予防相は語る。
では、日本はどうなのか。北欧諸国の医療や福祉からはるかに遅れ、常に先進的な政策をまねたり憧れたりするばかりだったようにも思われてきた。しかし、スウェーデンやデンマークが模索している医療・福祉は日本でも見られる。財政破綻で知られる北海道夕張市では村上智彦医師が患者から生活習慣を詳しく聞き、患者が主体的に疾病と向き合う健康指導を徹底した。口腔(こうくう)ケアや在宅看護・介護と連携した「地域包括ケア」を進め、少ない医療費で住民の健康度の改善に成功している。
医療費の出費が多い自治体に共通しているのは、住民の生活習慣が悪い、検診の受診率が低い、医療に対する依存心が強い、夜間や休日の受診が多いことだという。夕張市に赴任する以前、村上医師は日本で最も医療費が高かった北海道瀬棚町(当時)で診療所を開設した。薬の処方や注射を求める患者からは健康指導ばかりされることに反発は強かったが、自ら生活習慣の改善に取り組むようになって健康の回復を実感すると熱心に支持してもらえるようになったという。高齢者1人当たり年間140万円かかった医療費も70万円台にまで減ったというのだ。
医療ばかりに依存せず、患者の自立を地域の保健・福祉・介護の切れ目のないサービスで支える取り組みは各地で見られる。滋賀県東近江圏域では近江商人にちなんで「三方よし研究会」と名付けられた会が毎月開かれ、「患者良し・機関良し・地域良し」を目指して医療や福祉関係者が顔の見えるネットワークを作っている。宮崎市の「かあさんの家」では認知症や末期がんの患者を病院から民家を改装したホームホスピスに引き取り、家庭的な雰囲気の中でみとりまで行っている。認知症で独居の高齢者を支える地域医療・介護の実践も増えてきた。
世界の模範になる こうした現場に共通するのは、患者を医療の対象と見る前に、尊厳を守られるべき人として見る思想だ。疾病や障害で失われた機能を嘆くのではなく、残った機能を生かして自立を支援する活動理念だ。福祉の受給者として擁護するばかりでなく、働いて納税者になり、何らかの形で共生社会の一員になることを促す強い信念である。
患者に自立や自助を求める理由は財源不足にもあることを認めよう
企業の業績が上がり、被雇用者の賃金増が国家にとっては税収増につながる。医療や介護が必要な人へのサービスは税財源から捻出され、公的保険の財源も企業や個人の収入から支払われている。こうした社会保障の再分配システムを維持するためにも政府には企業支援策が要請されてきた。その半面、社会保障は財政悪化の元凶のように見られてきたことも否定できないだろう。
ところが、経済のグローバル化や非正規雇用の増加で、一企業の業績向上が直接は国家の税収増や賃金増へと結び付きにくくなった。若者や中高年層へも生活困窮者は広がり、年金や福祉サービスを受けられる高齢者や障害者よりも苦しい立場に置かれている人も少なくない。むしろ、障害者や高齢者が町おこしや、生活困窮者支援の事業を担うという逆転現象すら珍しくなくなったことに注目すべきだ。
先進国が直面している社会保障の状況はよく似ており、目指すべき方向性も共通している。1000兆円もの借金を国全体で抱えながら、医療費の膨張に歯止めが掛けられないなど日本の社会保障政策は深刻ではある。しかし、現場には世界の模範になるような実践がいくつもある。スウェーデンやデンマークの消費税は25%。日本は5%でここまでやってきたのだ。誇りと希望を忘れずに安心と活力に満ちた地域社会を築いていきたい。

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朝日新聞さんの「be」で紹介していただきました。

12月8日の朝日新聞「be」で紹介していただきました。