最近、こんな本を読みました。
多くの障害者関連の書籍は、障害や福祉をテーマにした小出版社が多く、読者層も障害者の関係者という狭い世界に止まっている。多数派である健常者には、障害者の現実は伝わらない構造になっている。
その理由として、健常者が障害者に接する機会が極めて少ないからだと著者は説明している。全国に850万人存在するといわれるにもかかわらず、我々が日常的に障害者に遭遇することはほとんどない。「転ばぬ先の杖」という理屈で、障害者は事実上隔離されているのだという。
障害者と健常者の間に見えない「壁」を作っているのは健常者自身であり「障害者はかわいそう」「障害者は頑張っている」と無意識のうちに刷り込まれているのは、障害者を「身分」として格付けしているからである。
戦後の高度経済成長の進捗とともに、少しづつ実現してきた「福祉の充実」により、福祉・教育関係者が、身を削りながら手助けをするという構造が出来上がり他者が手出しをできない、閉ざされた世界を形成してしまった。
その結果、障がい者自身が向上心を失ってしまった。それだけでなく手厚い保護のもと、親と本人も甘やかされて、結果的に、真の自立を難しくしている。
途中、読んでいるうちに著者自身の家族も障がい者であることが書かれていた。
障がいのある人も、ない人もすべての人が同じように生活できる世の中を目指して・・・そのようなことを言われますが、障がいを抱えた人が自立できるようなしくみづくりが必要と感じた。高齢者福祉についても同様のことを考えます。
「手厚い補助よりも自立できる社会の仕組みづくり」
このようなことを感じた一冊の本でした。
2012年1月30日月曜日
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