2019年12月31日火曜日

当院の在宅医療について

当院では在宅診療を積極的に行っております。
ここ15年間の実績をまとめました。


     死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数
2005年    12           66          492
2006年    17           70          553
2007年    12           69          546
2008年    22           89          736
2009年    22           98           1136
2010年    25            112           1293
2011年    23            121           1320
2012年    29            131           1571
2013年    27            141           1585
2014年              33                                      144                                   1464
2015年      36            151            1359
2016年      36            141          1682
2017年      30                                      133                                    1481
2018年    24                                      114                                    1285
2019年    37          135          1568


 今年、訪問診療を卒業された方は、45人おられました。そのうち37人の方を最後まで診させていただきました。それ以外の8人の方は、急変や家族の都合で入院、あるいは転医など理由は様々です。
 永源寺地域全体では病院も含め、年間60人程度の方が息を引き取られています。当院は入院施設はありませんので、私が死亡診断書を書いているのは、主に在宅の方です。つまり、地域の半数以上の方が病院以外で息をひきとられている。永源寺はそんな地域になっています。
 永源寺診療所には、とびぬけて素晴らしい医療機器や、大勢の医療介護スタッフがいるわけではありません。どちらかというと、山間農村地域にありがちな限られた医療機器しかなく、人材も不足しています。しかし、私達が重要視していることは、診療以外のこと、つまり「対話」です。
 外来の時から本人には「ご飯が食べられなくなったら、どうしますか?」と自分の人生の最終章の希望をお伺いしています。また、病院がいいか、在宅にするのかの判断は、私達が在宅医療を勧めることはほとんどなく、本人と家族の対話に参加させていただいている程度です。そして、在宅療養を選択されても、ご家族には「できるだけ仕事を休まないでください」「介護は我々のチームで行います」というようなお話もしています。
 つまり、こちらが「なにがなんでも在宅で」と勧めることはありませんが、本人・家族が「最期まで家で」と選択される方が多くなっているようで、最期まで家にいることが当然のことのように思っておられる人が増えているように思います。
 もちろん、このように充実した在宅医療が提供できるのも、私個人の力というよりも、地域の専門職と、地域の皆さんのおかげだと思っています。

 高齢化のすすむ永源寺地域ですが、地域の皆さんが安心して生活できるよう、そして対話を通じて「看取りの文化」がさらに定着するよう、これからもお手伝いができればと思います。

今年一年ありがとうございました。
皆様、どうぞよいお年をお迎え下さい。

2019年10月19日土曜日

2019年7月10日水曜日

大学の同窓会誌に寄稿しました

自治医科大学同窓会誌に「へき地で仕事を続けること」と題した寄稿をしました。



2019年6月21日金曜日

中学生の取材を受けました。

6月29日に東海中学・高校で開催される「サタデープログラム」に登壇させていただくことになりました。

今日は、愛知県から担当の生徒さん2名と担当教員の先生が当院を訪ねていただき、事前のインタビューを受けました。
中学生とはいえ、しっかりとした質問内容でした。そして会話の中でも素朴な疑問をなげかけられ、改めて自分自身に求められていることを確認することができました。

来週になりますが、期待に応えられるよう頑張りたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。


2019年5月30日木曜日

山上小学校・学校健診3・4年生

私が学校医をしている山上小学校では、内科健診と一緒に各学年一時間ずつ時間をいただいて「いのちの授業」というものをさせていただいております。


今日は、3年生と4年生の健診でした。児童の皆さんには、タバコや睡眠、テレビ、ゲーム、スマホなどの生活習慣のお話をさせていただきました。



日頃の生活習慣を見直すとともに、自分自身と家族の健康について少しでも考える機会が持ってもらえればと思います。





2019年5月24日金曜日

山上小学校・学校健診1・2年生

今日、花戸が学校医をしている東近江市立山上小学校で学校健診を行ないました。
学校健診は主に内科と整形の診察のみを行なっているところが多いと思いますが、山上小学校では、特別に各学年に一時間ずつ授業の時間をいただいて、花戸が「いのちの授業」を行っています。




今日は、1年生と2年生です。子ども達には聴診器でお互いの胸の音を聴いてもらいました。



君たちの心臓は、君たちが産まれたときから・・・ではなく、君たちがお母さんのお腹の中にいる時から今まで一度も止まることなく動き続けています。
それは君たちだけじゃなくて、先生や君たちのお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、皆一緒です。
でも、心臓は一人に一つずつしかないから、止まってしまうと元には戻らない。
だから、大切にしなければならないんだよ。




と、
そんな話をさせていただきました。
子ども達には、自分たちの健康とともに人の命の大切さを感じてもらい、一生懸命生きてもらいたいと思います。

2019年4月19日金曜日

山上小学校でAED講習会を開催しました。

花戸が学校医をさせていただいている山上小学校では、毎年内科健診のあと各学年一時間ずつ「いのちの授業」の時間をいただいております。

本日は、6年生にAEDを使った心肺蘇生法の授業を行ないました。授業では全員がトレーナーを使って胸骨圧迫とAEDの使用方法を体験し、BLSにおける一連の動作の確認を行ないました。6年生の皆さんは、大変興味深く参加してくれたことと思います。


今回は技術を習得するということ以前に、「具合が悪そうな人、困っている人を見かけたら、知らないふりをせず声をかけよう」「君たちも人の命を助けることができる」ということを確認させていただきながら、楽しく参加していただきました。


注:写真は許可を得て撮影させていただきました。






2019年3月23日土曜日

本日、神戸でお話をさせていただきます。

本日、ホームホスピス神戸なごみの家さんの、10周年記念講演会でお話をさせていただきます。

どうぞよろしくお願いします。

2019年3月9日土曜日

結果だけに目を向けるのではなく・・

透析を中止して亡くなられた方のニュースが流れています。

人生の最終章を迷いなく迎えられる人っているのでしょうか?
本人はもとより、家族、親戚、親しい人、そして医療や介護にあたる者は悩み、気持ちが揺れることはしばしば経験します。

でも、悩むことって悪いことでしょうか?
常に医学的に正しい決断を下さなければならないのでしょうか?

医学の進歩とともに、多くの疾患に対してガイドラインが示されるようになりました。ガイドラインは、現在の医学で正しい医療情報、つまり教科書のようなもので、今は多くの医療者がガイドラインに沿って仕事をしています。

しかし、医学的に正しいことがその人の人生にとって、最も幸せをもたらすかというと必ずしもそうではありません。現場では、認知症やがん、老衰など、医療と生活を天秤にかけてどちらを選ぶかという場面にしばしば遭遇します。

話を戻します。
病気の治療のみならず、人生のあらゆる場面で決断が迫られます。
しかし、各々に対する答えは一人一人違うものであり、場合によっては答えのだせない、悩み続けることもあって当然なのです。
本人のことを思えば思うほど、悩んで当然なのだと思います。

でも本当に大切なのは「難しい問題である」と親身なふりをして背を向けるのではなく、答えがでないかもしれませんが共に命に向き合うこと。つまり、対話を重ねることだと思います。

今回のニュースで「これで本当に良かったのだろうか?」と悩んでいる家族の気持ちを聴くこと、寄り添うことが必要なんじゃないかなぁ。

死をタブー視するのではなく、向き合うこと。すると自ずと生が輝く場面に出会うことができると思います。

今、透析を続けている人も、しないと決断した人も、それぞれの人生があります。
我々ができることは、目の前の人たちに寄り添い、対話を重ねることなんだろうと思います。

2019年3月4日月曜日

妹のために・・・

今日、予防接種外来での出来事です。

1歳になる妹の付き添いにきたお姉ちゃん。

先月、自分も予防接種をして「注射は痛い」ことを知っています
でも、今日は自分は注射しないとわかっていますが、お母さんから離れたくもないせいか、お母さんの後ろから絵本を持って診察室に入ってきました。

お母さんの後ろでモジモジしているお姉ちゃん。
私は「どうぞ」と椅子を出して、妹を抱っこするお母さんの隣に座ってもらいました

すると、まだ3歳のお姉ちゃんが、絵本を開いてお話を始めるではありませんか。
もちろん文字は読めないので絵を見ながらの作り話です。
妹もわからないままお姉ちゃんが開く本をじっと見ています。

「お姉ちゃん、えらいね」と私が声をかけたら、お話が止まってしまうので、
「ごめん、ごめん」と言って私が背を向けると、またお姉ちゃんの作り話が続きました。

しばらく聞いたあと、注射をしたらやはり妹は大泣き。

注射のあと、待合でお母さんが二人に絵本を読んでおられました。

2019年2月11日月曜日

山口県で講演してきました。

山口県で永源寺地域の活動をお話しさせていただきました。
2月10日は下関市で、11日は周南市でお話をさせていただきました。
お招きいただきました 山口県立総合医療センター へき地医療支援センターの皆さま、ありがとうございました。





2019年1月31日木曜日

当院の在宅医療について

   ここ19年間の実績をまとめました。      死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数 2005年    12           66          492 2006年    17           70          553 2007年...