2020年3月17日火曜日

こんな時期だからこそ、ひとりひとりができること

 世の中の人が外出を控えておられるせいか、今年はインフルエンザの流行もなく、外来・在宅の患者さんも落ち着いています。
 患者さんから「新型コロナってどうなんですかね?」という質問をいただきますが、「皆さん罹りますよ、誰も触れたことのないウイルスですから」と説明しています。
 半分冗談のような話ですが、誰もが感染する可能性のあるウイルスであることは間違いありません。しかし、新型コロナに感染したからといって誰もが重症化するわけではなく、感染しても8割の人が入院せずに済む軽症であることがわかっています。ですのでひどく心配する必要はありません。
 そして、新型コロナの感染パターンもだんだんとわかってきました。新型コロナに感染しても8割の人は誰にも感染させずに個人の中で収束しています。しかし、残り2割が「クラスター」と呼ばれる次々に人に感染が連鎖していくパターンを呈しています。

クラスターが起こりやすい環境も指摘されています。
・換気のない密閉空間
・多くの人が密集する場所
・近距離で会話、発声などがある


3月15日、厚生労働省で発表されたクラスターマップを見ると、まさに上記の3条件が当てはまっているようです。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000608641.pdf


そして、環境要因以外にも、個人で気をつけていただきたいことがあります。

日頃からの「手洗い」はぜひ続けてください。
帰宅後、マスクを外した後、食事の前などは忘れずに行なってください。
高血圧や糖尿病、肺疾患など、日頃から通院が必要な病気(基礎疾患と言います)がある人は、しっかりと管理してもらってください。決して、通院を疎かにして薬がきれたなんてことがないようにしてください。

今までの調査でも、高齢者や基礎疾患がある人は全員ではありませんが重症化しやすいことがわかっています。

自分自身はもちろん、そのような人達が罹患しないよう、そして地域でクラスターが発生しないよう一人一人ができることを心がけましょう。

最後にもう一度書きます
「コロナは誰もが罹るウイルスです」







2020年3月2日月曜日

明日から臨時休校

明日から東近江市内の学校が臨時休校になります。
山上小学校の校医として、児童の皆さんと保護者の皆さんにメッセージを書きました。

休みの間、大人から「勉強しなさいっ」って言うばかりではなく、子どもらしく過ごすことができるよう我々も応援しております。




2020年2月7日金曜日

子ども達の成長を感じる時

花戸が続けている活動の一つに「絵本のよみかたり」があります。
週1回、小学校の朝読書の時間にボランティアとして伺い、絵本を読みます。
絵本のチョイスは自分。季節、学年にあわせて絵本を持参します。
一昨日は、2年生の担当でした。
絵本を読む前に、一人の男の子が私の近くにやってきて、なにか小声で話しかけてきました。
「えっ?なになに?」と腰を下ろすと、男の子が耳元で呟きました・・・
「先生、けっこんしてるん?」
一瞬、えっ!と思いましたが、この子なりに考えていることがあるんだろうなぁと思いながら、「うん、けっこんしてるよ」と答えました。
するとにっこり笑い、その後は何もなかったかのように皆と一緒に座り、いつものように読みかたりが始まりました。
・・・好きな子ができたのかな?
・・・バレンタイン前だし、女の子になにか言われたのかな?
・・・お父さんとお母さん、なにかあったのかな?
お母さん妊娠したのかな?
笑顔の裏で、子どもなりに成長しているんだろうなぁ。
子どもって面白い。


ちなみに、この2年生のクラスで「新型コロナウイルスにかかった人いますか?」と尋ねたら、男の子が3人ほど手を挙げました。高い罹患率です(笑)





2020年1月28日火曜日

永源寺診療所における在宅導入の内訳

ここ5年間で永源寺診療所の在宅医療(訪問診療)を導入した患者さんを調べてみました。

在宅導入前に受けていた医療の場所別で調べてみました。
(自宅のみ、施設・グループホームは除きます。)・病院から退院時・当院の外来から・他院の外来からと分けてみました。


病院からの退院は、48(うち退院前カンファレンスの参加40)当院外来から在宅へ、119他院に通院していたが、家族・ケアマネから、40でした。


がん、骨折、脳梗塞などの大きな疾患があれば入院になり、退院後に訪問診療してもらおうか・・・と病院の方から勧められることがあると思います。

しかし、外来通院を続けながらも徐々にADLが低下するような老衰などの場合、本来なら在宅移行を考えるべきタイミングを逸しているのではないか?とも感じます。

外来通院している時から「かかりつけ医」が日常生活上の問題点に目を配りながら日常生活での居場所や役割を確認し、必要であれば介護保険を勧める。

本来、高齢になれば誰もがこのようななだらかな移行期があり、ピンポイントで「ここから在宅」と勧められるようなものではないと思います。
当院のような診療所では、そのような患者さんの生活の様子が見えやすい一方で、病院ではなかなか難しいだろうとも感じます。

これからは(入院を経ない)外来から在宅への道筋づくりが重要になってくるようにも感じます。



2020年1月9日木曜日

朝日新聞さんに投書しました。

今朝の朝日新聞さんの「声」欄に掲載していただきました。


認知症や介護が必要な人を、家族だけで面倒をみる、あるいは介護保険などの制度だけで支えようとするには無理があるように感じます。
「支える→支えられる」といった一方向性の支援ではなく、互いの居場所と役割がある寛容なコミュニティが必要ではないでしょうか。
地域の人はもちろん、我々医療介護関係者ももっと地域コミュニティに目を向けるべきだと思います。


追記)この投稿をするきっかけとなったのは、先月同欄に掲載されていた投稿でした。



2020年1月8日水曜日

山上小学校でのキャリア教育

本日、山上小学校6年生に「キャリア教育」をさせていただきました。
私の生い立ち、医師を目指したきっかけ、そして私が永源寺で行ってきたことを話をさせていただきました。
医療を提供するだけではなく、地域の人とのつながり、これからの世代に伝えたいことをお話しさせていただきました。

6年生の皆さんも熱心に聴いてくださいました。





2019年12月31日火曜日

当院の在宅医療について

当院では在宅診療を積極的に行っております。
ここ15年間の実績をまとめました。


     死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数
2005年    12           66          492
2006年    17           70          553
2007年    12           69          546
2008年    22           89          736
2009年    22           98           1136
2010年    25            112           1293
2011年    23            121           1320
2012年    29            131           1571
2013年    27            141           1585
2014年              33                                      144                                   1464
2015年      36            151            1359
2016年      36            141          1682
2017年      30                                      133                                    1481
2018年    24                                      114                                    1285
2019年    37          135          1568


 今年、訪問診療を卒業された方は、45人おられました。そのうち37人の方を最後まで診させていただきました。それ以外の8人の方は、急変や家族の都合で入院、あるいは転医など理由は様々です。
 永源寺地域全体では病院も含め、年間60人程度の方が息を引き取られています。当院は入院施設はありませんので、私が死亡診断書を書いているのは、主に在宅の方です。つまり、地域の半数以上の方が病院以外で息をひきとられている。永源寺はそんな地域になっています。
 永源寺診療所には、とびぬけて素晴らしい医療機器や、大勢の医療介護スタッフがいるわけではありません。どちらかというと、山間農村地域にありがちな限られた医療機器しかなく、人材も不足しています。しかし、私達が重要視していることは、診療以外のこと、つまり「対話」です。
 外来の時から本人には「ご飯が食べられなくなったら、どうしますか?」と自分の人生の最終章の希望をお伺いしています。また、病院がいいか、在宅にするのかの判断は、私達が在宅医療を勧めることはほとんどなく、本人と家族の対話に参加させていただいている程度です。そして、在宅療養を選択されても、ご家族には「できるだけ仕事を休まないでください」「介護は我々のチームで行います」というようなお話もしています。
 つまり、こちらが「なにがなんでも在宅で」と勧めることはありませんが、本人・家族が「最期まで家で」と選択される方が多くなっているようで、最期まで家にいることが当然のことのように思っておられる人が増えているように思います。
 もちろん、このように充実した在宅医療が提供できるのも、私個人の力というよりも、地域の専門職と、地域の皆さんのおかげだと思っています。

 高齢化のすすむ永源寺地域ですが、地域の皆さんが安心して生活できるよう、そして対話を通じて「看取りの文化」がさらに定着するよう、これからもお手伝いができればと思います。

今年一年ありがとうございました。
皆様、どうぞよいお年をお迎え下さい。

当院の在宅医療について

   ここ19年間の実績をまとめました。      死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数 2005年    12           66          492 2006年    17           70          553 2007年...