持ってきたのは、外来に通う肝臓がんのおじいさん。
このおじいさん、10年近く前に肝臓がんを患い入退院を繰り返してこられました。
うちの外来に通われていた今年のはじめに、がんが再発。
病院で検査を重ねた結果、再発した場所が悪く根治できない癌と診断されました。
そう言われて、すぐに家に帰ってこられたのがお盆でした。
それから、毎日好きなことをして過ごしているそうです。
今朝も家の玄関をあけると「昨日、川に行って釣ってきたよ」とパックを差し出されました。
蓋をあけるとハラワタもきれいに処理してあり、とても美味しそうな鮎です。
今夜、塩焼きにしていただきました。とても美味しかったです。
おじいさん、「がん」を患っておられますが、とてもお元気です。
患者さんにいつもお話すること・・病気が治らなくても、病気と反対側にある元気を大きくすれば、相対的に病気は小さくなるんじゃないでしょうか。
住み慣れた家に暮らし、大好きな家族に囲まれ、近所の人達と今までどおりに接すること、それが我々の仕事と思っています。
繰り返しますが、
死ぬために帰ってくるのではなく、
生きるために帰ってくるのだと思います。
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