「命のバトンを渡す」という内容で紹介されています。
2013年1月30日水曜日
2013年1月27日日曜日
2013年1月21日月曜日
2013年1月20日日曜日
2013年1月19日土曜日
昨日の往診
一昨日夜から永源寺は雪が積もっています。
昨日は、永源寺の一番奥の集落「君が畑」に往診に行ってきました。
高齢化率が50%を超えるこの集落では、一人暮らし、老夫婦世帯がたくさんおられます。
雪が降っても、道路は除雪されていますが家の前は充分に除雪できていないところもちらほら。
昨日はスコップを持って往診に行ってきました。
昨日は、永源寺の一番奥の集落「君が畑」に往診に行ってきました。
高齢化率が50%を超えるこの集落では、一人暮らし、老夫婦世帯がたくさんおられます。
雪が降っても、道路は除雪されていますが家の前は充分に除雪できていないところもちらほら。
昨日はスコップを持って往診に行ってきました。
2013年1月15日火曜日
人生の終末期について尋ねること
「ご飯が食べられなくなったらどうしますか?」
医師からの質問に初めての方はびっくりされるかもしれませんが、当院に通院されている患者さんにとっては、当たり前のことのようです。
花戸は、往診している患者さんはもちろんですが、外来に通われているほとんどの患者さんに、こんな質問をしています。
医療機関でこのような質問をするのは患者さんに失礼だ、という意見もあるかもしれません。しかし、我々が責任をもって、その人の最期まで生活を支えようと思うと、自分自身の終末期の希望について自分の口からはっきりと思いを伝えておいてほしいのです。
永源寺診療所では、今月も研修医の先生が一ヶ月間の研修を行っております。
午前中は外来診療、午後は訪問診療、また診療所以外でもいろんなところで「永源寺」という地域を研修してもらっています。
研修も半ばにさしかかりましたが、彼女達に聞くと「病院での勤務している時は、病気を見つけて病気を治すことに専念し、いかにもれなく検査・治療を行うかを考えていた」そうです。しかし、永源寺診療所に来てから病気についてあまりみていない、いや、病気以外の部分をみることが多くなったとの感想です。
そして、私が外来や在宅の患者さんに対して「ご飯が食べられなくなったらどうしますか?」「寝たきりになったらどうしますか?」なんていつも聴いているものですから、それにも興味を持ったようです。
先日、在宅の患者さんに彼女達の口から尋ねてもらいました。
87歳になるIさんは、糖尿病を患う奥さんと二人暮らしです。肺の病気である肺気腫のため、3年ほど前から、月に一度、訪問診療させてもらっています。一昨年には前腕骨骨折を受傷し、ソファーで座っておられることが多くなりました。
昨年は入院こそしませんでしたが、ものわすれも多くなりADLが確実に下がっています。
ものわすれは、短期記憶障がいといって、ついさっきの出来事を覚えておく記憶力が低下しているだけで、自分の気持ちや意思を述べることは充分できます。
私が、Iさん宅に往診に伺うたびにいつも「ご飯が食べられなくなったらどうします?」って聴いていますが、いつも「家にいる。先生に診てもらうわ。」とおっしゃっていました・・・
そして、先日、一緒に往診に伺ったときに研修医がIさんに尋ねました。
研修医:「具合の悪いところはないですか?」
Iさん:「はい、大丈夫です」
研修医:「もし、もしですよ、具合が悪くなったらどうしますか?」
Iさん:「ほら、治してほしいわ」
研修医:「治らない病気だったらどうします?」
Iさん:「わし、そんなに悪いんかいな?」
研修医:「いや、では、ご飯が食べられなくなったらどうしますか?」
Iさん:「病院に行かんとあかんのかいな?」
研修医:「それを決めてほしいのです・・・・・(沈黙)」
Iさん、いつも私に聴かれているので、ちょっと意地悪に答えていたようですが、私の質問にはいつものようにちゃんと答えてくれました。
私 :「なんかあったら、いつでも来ますから、呼んでくださいね」
Iさん:「先生だけが頼りやから、ワシはどこへも行かんわ。最後まで先生頼むわな」
医師からの質問に初めての方はびっくりされるかもしれませんが、当院に通院されている患者さんにとっては、当たり前のことのようです。
花戸は、往診している患者さんはもちろんですが、外来に通われているほとんどの患者さんに、こんな質問をしています。
医療機関でこのような質問をするのは患者さんに失礼だ、という意見もあるかもしれません。しかし、我々が責任をもって、その人の最期まで生活を支えようと思うと、自分自身の終末期の希望について自分の口からはっきりと思いを伝えておいてほしいのです。
永源寺診療所では、今月も研修医の先生が一ヶ月間の研修を行っております。
午前中は外来診療、午後は訪問診療、また診療所以外でもいろんなところで「永源寺」という地域を研修してもらっています。
研修も半ばにさしかかりましたが、彼女達に聞くと「病院での勤務している時は、
そして、私が外来や在宅の患者さんに対して「
先日、在宅の患者さんに彼女達の口から尋ねてもらいました。
87歳になるIさんは、糖尿病を患う奥さんと二人暮らしです。肺の病気である肺気腫のため、3年ほど前から、月に一度、訪問診療させてもらっています。
昨年は入院こそしませんでしたが、ものわすれも多くなり
私が、Iさん宅に往診に伺うたびにいつも「
そして、先日、一緒に往診に伺ったときに研修医がIさんに尋ねました。
研修医:「具合の悪いところはないですか?」
Iさん:「はい、大丈夫です」
研修医:「もし、もしですよ、具合が悪くなったらどうしますか?
Iさん:「ほら、治してほしいわ」
研修医:「治らない病気だったらどうします?」
Iさん:「わし、そんなに悪いんかいな?」
研修医:「いや、では、
Iさん:「病院に行かんとあかんのかいな?」
研修医:「それを決めてほしいのです・・・・・(沈黙)」
Iさん、いつも私に聴かれているので、
私 :「なんかあったら、いつでも来ますから、呼んでくださいね」
Iさん:「先生だけが頼りやから、ワシはどこへも行かんわ。
Iさんが終末期を迎えても入院をしないという意思表示は、奥さんの前で自分の口からちゃんと述べられています。後ろでは奥さんがいつもニコニコしながら聴いておられます。
このような信頼関係は一朝一夕ですぐに出来上がるものではありませんが、研修医にとっては貴重な体験だったようです。
帰りの往診車の中で、「病院の救急外来で家族が決めるんじゃなくて、普段から終末期のことを自分で考えておくって大切ですね」と感想を述べてくれました。
自分の望まない医療をうけないというのは個人に与えられた権利です。
そして我々医療者は、患者さんの意思を尊重して、どのような医療をうけるべきかアドバイスをすることはできます。
しかし、急に具合が悪くなって意思表示ができなかったり、認知症などでうまく言葉を選べないことだってあります。
だから、いつそのような時が訪れてもいいように私の患者さんには皆さんに尋ねています。
「ご飯が食べられなくなったらどうしますか?」
気持ちが変わることもあるので、何度も何度も聴きます。
在宅の患者さんだけでなく、外来に来ている患者さんにも聴いています。
患者さんが自分の気持ちを素直に口にだしてくれて、医師も責任を持って応えること。
それこそが
「その人の最期まで生活を支えること」
その結果として
「安心して生活できること」
に他ならないと思っています。
このような信頼関係は一朝一夕ですぐに出来上がるものではありま
帰りの往診車の中で、「病院の救急外来で家族が決めるんじゃなくて、
自分の望まない医療をうけないというのは個人に与えられた権利です。
そして我々医療者は、患者さんの意思を尊重して、どのような医療をうけるべきかアドバイスをすることはできます。
しかし、急に具合が悪くなって意思表示ができなかったり、認知症などでうまく言葉を選べないことだってあります。
だから、いつそのような時が訪れてもいいように私の患者さんには皆さんに尋ねています。
「ご飯が食べられなくなったらどうしますか?」
気持ちが変わることもあるので、何度も何度も聴きます。
在宅の患者さんだけでなく、外来に来ている患者さんにも聴いています。
患者さんが自分の気持ちを素直に口にだしてくれて、医師も責任を持って応えること。
それこそが
「その人の最期まで生活を支えること」
その結果として
「安心して生活できること」
に他ならないと思っています。
2013年1月9日水曜日
正月
昔、一休和尚は正月に「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」と詠んだそうです。正月はめでたいと皆言うが、年をとるたびに死に近づいているので正月は喜んでばかりもいられない、という意味なのだそうですが・・・・
年末年始は在宅の方も家でのんびりされていることが多いのですが、松の内も過ぎ普段どおりに往診に伺うようになりました。
在宅の方の正月というと、病気によっては落ち着かない気分で迎えられたり、もしかしたら最後の正月かもしれないと思いながら過ごすこともある人もおられます。言い換えると、正月を迎えて「生」と同時に、迎える「死」をも意識するということでしょうか。
先日、往診に伺ったのは昨年末からご飯が食べられなくなっている96歳のおばあちゃん(Kさん)は、いわゆる老衰に近い状態ですが、正月は家でのんびりと過ごされました。
Kさんも日毎に弱っておられ最近では目を閉じて眠っていることが多くなっています。正直年を越せるかどうか心配しておりましたが、正月は親戚一同おばあちゃんの周りでにぎやかにされていたようです。
年末年始は在宅の方も家でのんびりされていることが多いのですが、松の内も過ぎ普段どおりに往診に伺うようになりました。
在宅の方の正月というと、病気によっては落ち着かない気分で迎えられたり、もしかしたら最後の正月かもしれないと思いながら過ごすこともある人もおられます。言い換えると、正月を迎えて「生」と同時に、迎える「死」をも意識するということでしょうか。
しかし、そのような状況であっても一休和尚の言われているような「めでたくもなし」という気分の方はあまりおられないように思います。
先日、往診に伺ったのは昨年末からご飯が食べられなくなっている96歳のおばあちゃん(Kさん)は、いわゆる老衰に近い状態ですが、正月は家でのんびりと過ごされました。
Kさんも日毎に弱っておられ最近では目を閉じて眠っていることが多くなっています。正直年を越せるかどうか心配しておりましたが、正月は親戚一同おばあちゃんの周りでにぎやかにされていたようです。
誰にとっても、正月は「冥土の旅の一里塚」であるかもしれませんが、お互いの存在を確認することができ、ともに「生きている」ことを実感できる時間かとも思います。
おばあちゃんの家の玄関には紅白の南天が飾ってあり、普段どおりの正月の風景でした。
Kさんを含めて皆がいつもと同じように歳をとり、いつもと同じように迎えられた、いつもと同じめでたい正月だったようです。
2013年1月1日火曜日
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