2012年10月6日土曜日

介護保険推進全国サミット in ひがしおうみ

10月4日、5日と東近江市にて「介護保険推進全国サミット in ひがしおうみ」が開催され、両日とも参加して参りました。


東近江地域はもちろんのこと北は北海道から南は鹿児島、海外はロンドンまで、そして多職種の方が参加されていました。

初日の堀田力さんの特別講演のあと、私は「在宅看取り」の分科会に参加しました。演者は、長倉
伯博さん(宗教家)、中村伸一先生(医師)、秋山正子さん(訪問看護)、溝口弘さん(小規模多機能)皆さんの活動を熱く語られました。

コーディネーターの小鳥輝男先生からまとめをいただきましたので、ここに紹介させていただきます。

長倉さんは、

ビハーラ活動(仏教ホスピス)について
緩和ケアにおいては、全人的痛み、身体的、心理的、社会的、スピリチュアル痛みをケアしなければならない。
家族が死の話題を避けていたのも傾聴・受容・共感(饗感)・促進により受容されるようになる、しかしこれは私見であるが宗教家でなければ不可能である。
四苦「生、老、病、死」も八苦も心身の活動が盛んであるからこそ生まれる、しかし宗教の力により納得が可能であったさまざまな体験を。
肺ガンの問題患者の終末期の言葉「日々に感謝、出会いに感謝、生きてるすべてに感謝」
感謝はガンも含まれる、なぜなら自分を看てくれる人と会えたから
死んだら終わりか、否かぐや姫ではないが天から見守る霊が残る
枕経は生前中でもあげて可能、本人のまた家族の満足感が納得が
枕経を上げて半年生きられた人もいる、その場合枕経を二度上げることに、その際お布施は二度頂くことに


中村さんは、

最初は自分がこの村を支えるんだの心意気で
住民、多職種、行政が総体として「在宅看取り」を支える「場」、「あっとほーむいきいき館」を
それらを利用した研修医教育
誤診で逆に住民から励まされ、そして自身が慢性硬膜下血腫に、住民に感謝と自発の回避現象が
したがってコンビニ受診の激減(1098 120/年)
自分が支えているつもりが、地域に支えられているのだとの認識が、地域によりそ医!
相互不信は「お互い様」の総合信頼の心で克服
在宅は確実に医療費抑制につながっていることをおおい町のデータで
家逝き看取り文化
小規模多機能居宅介護事業所を五つおおい町は保持
なんてんのやり方に非常に興味を持たれた
ヴァイタリティとユーモアの機関銃
濁点ある無しの中村仁一先生との「大往生の」コラボ本が来年出版されるとか

秋山さんは、

介護保険が始まる前より訪問看護を
在宅看取りを先進的に行っていた時は家族も本人も納得して見送れていた
介護保険が始まると訪問看護ステーションも増えてきたが、逆に死の、病気の病院化が
いつまでも生きてほしいと願う子供の考えに揺れてしまい、本人の望まない病院看取りが
24時間を担う医療者や介護者のネットワークで在宅看取りが出来た実例の紹介
日頃から在宅療養の普及・啓発の大切さ
暮らしの保健室活動の紹介を詳しく
看取りの文化を完成させよう
昔はガン患者に死に対する説明は簡単で阿吽の呼吸があったが、今は懇切丁寧な説明が必要に、それが本人にとり社会にとり幸せか
水際作戦、予防、医療者とのネットワーク、介護者とのネットワークそれから在宅看取りという位のフローで訪問介護は行くべきとの積極的な発言が
在宅看取りは生のバトンリレー、子供教育も開始されていると


溝口さんは、

共に生きる街づくり、命や存在、働きが尊重される街
街かどケアの考え方、専門、専門性で固められた福祉からの脱却
「小規模多機能型居宅介護」の可能性の広がり
在宅、病院、施設、グループホームでもない「小規模多機能型居宅介護」での看取り
最後まで自分らしく、自分の思いに沿って死んでゆきたい
その実行は見事であるが、スタッフのこれまでの努力は称賛に値する
在宅に近い環境で友人や家族に囲まれて
以心伝心でスタッフ、訪問看護ステーション、その上本人までもの見守りが出来ている
在宅看取り、施設看取りと二つでくくるのは良くなく、小規模多機能居宅事業所死は別のくくりにすべきいだと思われるくらい、ユニークに頑張っておられる

厚生労働省迫井正深さん

地域包括ケアの話をされようと考えておられた
皆さんの発表に圧倒され、結論は今日のパネルディスカッションはお金を払っても聞きたい内容だったと
ただ今回の改定の看取り対応の強化は複雑にはなったが、患者さんに対してもサービス提供側に対しても正しい改定であったと自信を持って断言された


コーディネーターのまとめ

あなた逝く人、私残る人は不可、私もいずれ逝く人
生に対し感謝を
愛と覚悟があれば在宅看取りは可能
抱きしめる、手を握るそのぬくもりこそ愛の象徴
ありがとう、ありがとうの心

と簡単なようでいざとなると人間とリ乱す平時から死を生を皆様考えておきましょう


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以下、花戸の感想です。
皆さん言われていたのが、「看取りの文化」という言葉です。
年をとっても、一人暮らしになっても、認知症になっても、障がいを抱えても、最期までその人らしく地域で生活する。
こんなことを、一般の人が当然のことのように思える世の中にするような「文化」が必要だと。皆さんの発言をウンウンと頷きながら聞いていました。それぞれの立場で、宗教観や住民教育、急性期病院のスタッフや子どもを教育するとおっしゃっていました溝口さんのところは「自分たちでなんとかしている」ような活動で本当に頭が下がる思いで聞いておりました。


なんかここまで来ると、行政だけで解決しようとすると「精神論」しかでてこないのではないか・・・そんな雰囲気すら感じましたがとても充実した分科会でした。
そこを行政や介護・医療保険だけで解決しようと考えないのが、三方よし(東近江地域)のいいところ。それが、翌日私が講演をさせていただいたスキマの話につながっていくのでした・・

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   ここ19年間の実績をまとめました。      死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数 2005年    12           66          492 2006年    17           70          553 2007年...