2013年6月21日金曜日

命のバトン

90歳のおばあちゃんが一週間前からご飯が食べられなくなっていました。
食事は摂れなくなっていましたが、子どもさん、お孫さん、ひ孫さん(幼稚園)達に囲まれながら在宅で過ごされていました。
往診に伺っても、いつもベッドの周りでは孫たちがワイワイ、キャッキャと賑やかな往診でした。

そして、昨日からは水分も摂れなくなっていました。

今朝、7時過ぎにご家族から「呼吸が弱くなっている」と連絡があり、外来診療の前に往診に伺うと、ひ孫さんが玄関で出迎えてくれました。

ひ孫「先生、おはよう」
私 「おおばあちゃん、どう?」
ひ孫「元気やけど、息がしんどそう」
私 「教えてくれて、ありがとう」
お部屋に入って診察をすると、確かに下顎呼吸といって呼吸が弱くなっています。

「今日中にはお迎えが来るかもしれませんね」とご家族にお話してお家をあとにし、その2時間後「息が止まりました」との連絡がありました。
外来診療の途中でしたが、急遽往診に伺い、親戚・家族の方々に囲まれた中で死亡診断を行いました。

とても穏やかな最期でした。

今朝、往診に伺ったとき、ひ孫さんが「元気やけど、息がしんどそう」というのは、非常に的確な表現だったと思います。

彼の心の中には
おおばあちゃんは家族の一員として家にいる。
でもご飯が食べられなくなって、徐々に弱ってきた。そして今日は、呼吸も弱くなっている。
そんなおおばあちゃんの様子を彼は私に教えてくれたのでした。

幼稚園から帰ってきたら、おおばあちゃんが亡くなったことを知らされると思いますが、彼の心の中に、おおばあちゃんはずっと残っていることでしょう。

おおばあちゃんの希望通りの大往生でした。



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当院の在宅医療について

   ここ19年間の実績をまとめました。      死亡診断書枚数   在宅患者さん人数   訪問診療・往診のべ回数 2005年    12           66          492 2006年    17           70          553 2007年...